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おっさんの独り言



どうなる!?『証券仲介業』
〜『金融戦国時代』の開幕!!〜

2004年11月27日


今回は、来月から大手銀行に解禁される、『証券仲介業』にスポットを当ててみました♪

この12月から、株式や債券などの売買注文を証券会社に取り次ぐ証券仲介業が、
銀行などの金融機関に解禁されます。

大手銀行は一斉に参入する意向で、
証券会社との提携に乗り出すとともに、
専門窓口の開設や販売部隊の設置など準備を急いでおります。

証券仲介業とは?
企業や個人が顧客から株式や債券などの売買注文を受け、提携先の証券会社に取り次ぐ制度。
事業会社や個人には今年四月から業務が解禁され、トヨタ自動車やクレディセゾン、ローソンなどが相次ぎ参入。
顧客は証券会社に行かなくとも銀行などの仲介業者を通じて証券会社に口座を開設し、株式や債券などを買えるようになる。
証券会社にとっては、新たな顧客を獲得する好機となるため、大手証券などが地方銀行などとの提携に動いている。

提携状況
みずほ みずほインベスターズ証券
三井住友 大和證券SMBC証券
東京三菱 三菱証券
UFJ UFJつばさ証券
りそな 野村證券

さて、大手銀行が一斉に参入する背景についてです。

大手銀行各行は、企業の資金需要が低迷する中、
預金を集めても運用先を見つけきれなくなっており、苦しい状況が続いております。。

そこで、手数料収入を得られる証券仲介業に力を入れ、
預金からリスク商品へと顧客資金を振り向けようと狙っております。

また、近年の銀行窓口における投資信託販売の成功が、
参入決定の強い判断材料となったとも考えられます。

銀行窓口でのリスク商品販売は、
1998年12月に投資信託販売が解禁されましたが、
これまでに販売した投信の資産残高は21兆円に達し、
全体に占める割合は残高ベースで4割超で、銀行は今や投信販売の主役となっております。

そこで、証券仲介業でも同様の力を発揮できれば・・・・という計画なのでしょう。

しかし、はたして銀行の計画通り、
個人金融資産1400兆円のうちの約半分を占める銀行預金がリスク商品へと向かい、
新たな収益源を確立できるでしょうか?

う〜む、個人的な意見としては、なかなか決定打となることは難しいと思います。。

まず、既に株式投資を行っている投資家を取り込むことは難しいということが挙げられます。

現在、個人投資家のほどんどが、
ネット証券を介して取引を行っておりますが、
『証券仲介業』という実質上の仲介業者を中間に挟むことで、
株式投資の取引コストがその分上昇するわけですから、
徹底的にコストを削減したビジネスモデルを確立している、
『ネット証券』と太刀打ちするには分が悪いでしょう。。

となると、自動的に各行は、『新規顧客』を開拓していかねばならないこととなります。

しかし、株式市場への新規顧客(投資家)の開拓は、
証券業界の永遠の課題となっておりますが、
この難題に対し、
単純に株式を購入できる窓口を物理的に新設したからといって、
容易に解決できるとは思えません。

さらに、無事に新規顧客を開拓できたとしても、
顧客が『賢明なる投資家』であれば、
いつまでも高い手数料で取引を続けていくとは思いませんよね?

結果的に、投資コンサルティング的な付加価値をつけられない限り、
ネット証券へと流れてしまうでしょう。。


またそもそも、今回の『証券仲介業』というビジネスモデルは、
証券会社側からみれば『営業のアウトソーシング』にすぎません。

ここでおっさんの個人的な意見を述べさせて頂きますと、
証券会社は『営業』の強化をすることよりも大事なことがあるのではないか?と思います。

ネット証券の登場以来、証券会社間の競争が激化し、
株式投資の手数料は下がりました。

その結果、大部分の個人投資家が、
手数料が高い『対面取引』よりも手数料が安い『ネット証券』を支持する結果となったのです。

この事実が示している通り、
大部分の投資家にとって、従来の営業マンに『手数料の安さ』に匹敵する付加価値が足りなかったということなのでしょう。。

これにより、証券会社は、株式を売買する『インフラ』と化してしまったのだと思います。

そして、株式投資手数料も、もはや下げれない水準まで到達してしまいました。

となった以上、証券業界全体として、
『今後どこに付加価値を付けていくのか?』が課題となっていくと思います。

つまり、今回のように物理的に『営業』を強化するのではなく、
いわゆる『マーケティング』の方が重要なのでしょうね♪

と、偉そうに悲観的な意見を述べさせて頂いたのですが、
銀行各行には手数料目当てではなく、
『健全な投資文化の普及』を目指し頑張って欲しいものです♪

『証券仲介業』をきっかけに、一人でも多くの投資家がデビューするといいですね!!



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